健康栄養部門の梅田朱里さんが「令和5年度 日本栄養・食糧学会学生優秀発表賞」を受賞しました
2023年6月14日
大学院人間文化学研究科生活文化学専攻健康栄養部門博士前期課程の梅田朱里さんが、「第77回日本栄養・食糧学会大会」にて「学生優秀発表賞」を受賞しました。この賞は、学生の研究を奨励することを趣旨として、大会で発表された優秀な研究に授与し、顕彰するものです。
今年度は,指導教員の推薦を受けた149名のエントリーから一次審査により候補者が43名に絞られ、さらにポスター発表による審査の結果、13名の受賞者が選出されました。その中に梅田朱里さんが選ばれました。(受賞者一覧はこちら)
受賞内容について
題目
ビタミンB6低摂取時のデキサメタゾン投与がビタミンB6代謝におよぼす影響
発表者
梅田朱里、諸橋雅大、畑山翔、福渡努
発表の概要
糖質、タンパク質、脂質の代謝の亢進に伴ってB群ビタミンの必要量が増えますが、どのような状況でどのビタミンがどれだけ使われるのかについては不明な点が多いのが現状です。これまで、合成グルココルチコイドであるデキサメタゾンをラットに投与して、糖質、タンパク質、脂質の代謝を著しく亢進させると、アミノ酸代謝に関与するビタミンB6の代謝が大きく変動することを明らかにしてきました。本研究では、ビタミンB6不足の時にタンパク質代謝が著しく亢進すると、ビタミンB6栄養状態とアミノ酸代謝がどのような影響を受けるのかを明らかにすることを目的とした研究を行いました。ビタミンB6摂取量を制限したラットにデキサメタゾンを投与すると、肝臓へのビタミンB6の集中が起こらず、アミノ酸代謝を亢進することができないことを明らかにしました。本研究結果は、急性期重症患者やデキサメタゾン治療などタンパク質の異化代謝が亢進している状態において、ビタミンB6栄養状態を管理する重要性を示すものです。