人間看護学部の関恵子講師が日本農村医学会にて「研究奨励賞」を受賞しました
お知らせ
2024.11.26
令和6年10月14日に新潟県で開催された第73回日本農村医学会の学術総会において、本学人間看護学部の関恵子講師が研究奨励賞(英文誌、コ・メディカル部門)を受賞しました。
受賞した研究内容について
研究課題名
Suffering of patients developing lymphedema following gynecological cancer surgery
概要(日本語訳)
子宮がん、卵巣がんなどの手術で、がんの病変とともにリンパ節を摘出した場合、また放射線治療を行った場合、足にリンパ浮腫と呼ばれる「むくみ」が生じます。このリンパ浮腫は一度発症すると生涯に渡りケアすることが必要で、日常生活上に様々な障害や外見の変化よる苦悩が生じることが推測されます。そこで、本研究では、患者さんの抱える苦悩を質的研究により具体化しました。
その結果、下肢リンパ浮腫を生じた患者さんは、がん再発への恐れと同等以上にリンパ浮腫の増悪による日常生活の変容に恐れを抱きながら生活していることがわかりました。浮腫の増悪は、下肢の痛みを引き起こし、外見変容や行動制限による生きがい・役割の消失という苦悩を生じます。これらの苦悩は、納得して向き合うことは難しく、症状の悪化などにより周期的に増大していました。また、患者さんはリンパ浮腫による苦悩だけでなく、苦悩と向き合う「力」を持っており、その力としては、そばで支えてくれる家族や友人、セラピスト・医師の存在、リンパ浮腫発症後に努力により得られた知識やセルフケア技術が挙げられました。