FD研修会 「授業の基本研修会-成績評価の方法:ルーブリックの作り方-」を開催しました

2014/08/18

 

 2014年8月11日(月)、本学教育実践支援室では、FD活動の一環として今年度第5回目となる「授業の基本」研修会を開催しました。
 この研修会は関西地区FD連絡協議会との共催事業となっており、協議会加盟校等からは16名(大阪工業大学、愛知学泉大学、追手門学院大学、京都光華女子大学、京都橘大学、神戸常盤大学、千里金蘭大学、東洋食品工業短期大学、奈良学園大学、奈良教育大学、びわこ学院大学、森ノ宮医療大学)の参加がありました。

 今回の研修会は、倉茂室長を講師に「成績評価の方法:ルーブリックの作り方」をテーマとして開催しました。第1講においては、ディプロマポリシー(DP)およびカリキュラムポリシー(CP)と到達目標の関係について講義があり、DP・CPの好例を示しながら、それらに沿って明確で簡潔なルーブリックを作成することが成績評価を簡素化かつ厳格化することにつながるというアドバイスがありました。第2講においては、到達目標に応じたルーブリックの具体的事例が示され、第3講ではそれらに倣って、グループワークをとおして実際にルーブリックを作成し、発表していただきました。

 ルーブリック作成に関する具体的なアドバイスのいくつかを以下で紹介します。

○授業の「到達目標」を学生に示すとき

・「~が理解できる」という表現は具体性に欠け評価しにくいため避けた方が良い。講義内容の理解度を明確に評価するためには、「~を説明することができる」や「~について自らの考えを述べることができる」など、評価しやすい到達目標を設定する。

○第1段階ルーブリック作成について

(第1段階ルーブリックとは、それぞれの到達目標に対する評価手段・評価基準の詳細を示すもの)
・1つの到達目標に対して、評価方法を1つに絞る必要はなく、レポートと定期試験で評価するなど、目標に合わせた成績評価方法を選ぶ。
・初回講義時に、評価方法と評価比率を学生に示しておくことで、授業の到達目標や評価方法が伝わり、学生の学習意欲が増す。
・評価方法はレポートやテスト以外にも、観察法、面接法、ポートフォリオ法などさまざまな手法があるので、科目の特性に合わせて、適宜組み合わせるのが良い。

○第2段階ルーブリック作成について

(第2段階ルーブリックとは、各評価手段に基づく具体的な課題に対する評価方法の基準を明確化したもの)
・加点法と減点法のうち、減点法のほうが厳しい評価になりやすいため、適宜加点法と併用するとよい。
・具体的な評価方法の基準を示しておくことで、学生の授業外学習時間は格段に増加する。

 参加者からは、「成績評価基準を作成するために到達目標を明確にする必要性を再認識し、さらに評価基準を提示することで、学生の学習意欲を高めることができると知った」という声や、「ルーブリックを作成することで、シラバスの内容を改善することができ、ひいてはDPまで改善できることがわかった」という感想がありました。また今後の研修会で取り上げてほしい内容として、「DP・CPの改善方法」や「カリキュラムツリーの作り方」などが寄せられました。

FD研修会1
FD研修会2