大学院環境科学研究科環境動態学専攻の橘啓輔さんが日本生態学会第69回大会において「ポスター優秀賞」を受賞しました
2022年03月25日
2022年3月14日~19日にオンラインで開催された日本生態学会第69回大会において、本学大学院環境科学研究科環境動態学専攻の橘啓輔さんの発表が「ポスター優秀賞」を受賞しました。
この賞は、本大会で研究発表を行った若手研究者の中から、各分野1~数名を選んで贈られるもので、「動物群集」分野の中で最優秀賞を含めて3件が選ばれ、橘さんの研究は優秀賞の1件として選出されました。橘さんには賞状が贈呈されました。
発表内容について
題目:Sexual cannibalismに対抗するオスの適応が近縁種を駆逐する!?
発表者:橘 啓輔・高倉 耕一
概要:外来種は在来生態系に対して悪影響を及ぼすと考えられているものの、そのメカニズムは必ずしも明らかではありません。本研究では、外来種ムネアカハラビロカマキリ(ムネアカ)が近縁な在来種ハラビロカマキリ(ハラビロ)を駆逐しているメカニズムを行動観察等により研究しました。カマキリ類では、求愛時にメスがオスを捕食してしまうsexual cannibalismという現象が知られています。ムネアカのオスが、ハラビロのメスに求愛した場合にもsexual cannibalismが生じますが、オスは捕食されながら種間交尾を成功させるだけでなく、ハラビロ・メスの交尾器を損傷させ死に至らしめることを明らかにしました。外来種の作用を行動レベルで明らかにした研究であり、今後の生態系保全等への応用が期待されます。