大学院工学研究科博士前期課程電子システム工学専攻修了生の辻聡秀さんが「電気学会優秀論文発表賞」を受賞しました。
2021年04月09日
大学院工学研究科博士前期課程電子システム工学専攻を2020年3月に修了した辻聡秀さんが,本学在学中の2020年3月に行った「令和2年電気学会全国大会」における研究発表で,電気学会の「電気学会優秀論文発表賞」を受賞しました。本賞は35歳以下の若手技術者が電気学会の全国大会・部門大会・支部連合大会・研究会で行った全ての研究発表の中から特に優秀なものに対して贈られる賞で,「令和2年電気学会全国大会」では,受賞対象の若手技術者の研究発表848件中から40件が本賞に選定されました。本発表の研究は,電気自動車等に搭載されるリチウムイオン電池の最適制御に役立つものです。
受賞内容について
賞の名称:電気学会優秀論文発表賞
受賞者名:大学院工学研究科博士前期課程電子システム工学専攻修了 辻 聡秀
発表題目:リチウムイオン電池の拡散インピーダンスの等価回路作成手法の提案
著 者:辻 聡秀,平山智士,田中正志,乾 義尚
発表内容:リチウムイオン電池の低周波領域を支配する拡散インピーダンスの等価回路について検討した。近年,RC並列回路に基づく緩和時間分布(DRT)を電池の交流インピーダンスに対して計算し,それを用いて電池の等価回路を作成する手法が提案されているが,拡散インピーダンスのモデル化にはWarburgインピーダンスが適しているため,低周波領域にDRT法を適用することは不適切である。しかし,Warburgインピーダンスを用いたDRT法と同様の手法は,これまでに発表されていない。そこで,本研究では,DRT法のRC並列回路をWarburgインピーダンスに変更した拡散時間分布(DDT)法を提案し,その計算結果を用いて電池の拡散インピーダンスの等価回路を決定した。