工学部材料科学科の伊田翔平助教がPolymer Journal論文賞−日本ゼオン賞、高分子研究奨励賞を受賞しました

2018/06/12
 

 工学部材料科学科の伊田翔平助教が、平成29年度Polymer Journal論文賞−日本ゼオン賞および平成29年度高分子研究奨励賞を受賞し、第67回高分子学会年次大会(5月23日〜25日、名古屋国際会議場)にて授賞式が行われました。各賞の概要および受賞対象研究は下記の通りです。

【Polymer Journal論文賞−日本ゼオン賞】

賞の概要:高分子学会が発行する英文学術論文誌Polymer Journalに優れた論文を発表した若手研究者を対象に授与され、今回は2017年に発表された論文の筆頭著者の中から伊田助教を含む3名の若手研究者が選出されました。

http://main.spsj.or.jp/c15/pjzaward/pjzjyuichiran-j.php

受賞論文:End-crosslinking of Controlled Telechelic Poly(N-isopropylacrylamide) toward a Homogeneous Gel Network with Photo-induced Self-healing [Polymer Journal 49, 237 (2017)]

http://www.nature.com/articles/pj2016112

論文の概要:高分子ゲル材料は環境にやさしい材料として注目を集める一方、力学特性や耐久性の向上が求められています。高強度化に向けてはゲル中の高分子網目構造を均一にすることが重要と考えられており、本論文では「精密ラジカル重合」と呼ばれる合成技術をベースに網目構造の均一化を目指した合成戦略を提案しました。さらに、精密ラジカル重合の反応機構を利用することで合成したゲル材料に自己修復機能を付与できることを明らかにしました。

【高分子研究奨励賞】

賞の概要:高分子若手研究者の活発な研究を奨励するとともに、将来の高分子科学の発展のために貢献する人材の育成を目的に、高分子学会および支部会にて活発に発表あるいは活動している若手研究者に授与されます。各支部から受賞者が選出され、今回関西支部からは伊田助教を含む3名が選出されました。

http://main.spsj.or.jp/c15/sho/shoran.php

受賞研究:精密ラジカル重合の利用とモノマー連鎖配列に着目した刺激応答性ゲルの網目構造設計

研究の概要:高分子ゲルの高機能化に向けて、ゲルを構成する高分子の網目構造をいかに設計し、実現するかが重要となっています。本研究では精密ラジカル重合をはじめとする合成化学を駆使し、外部刺激に応答して大きく性質を変化させるゲルの機能開発を行ってきました。

伊田先生授賞式写真

伊田先生賞状とメダル