大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程の片桐麻友さんが、第10回関西無機機能性材料研究会で発表し、 最優秀ポスター賞を受賞しました。

2019/02/01
 

優秀ポスター賞を受賞された片岡さん

大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程の片桐麻友さんが、第10回関西無機機能性材料研究会で発表し、

最優秀ポスター賞を受賞しました。

 本表彰は、関西無機機能性材料研究会(2019年1月26日 関西大学)において研究発表を行った若手研究者の中で、最も優秀なポスター発表者に対して贈られるものです。56件のポスター発表に対し、審査の結果、1件の

最優秀ポスター賞に選出されました。

<講演の概要>

著者:片桐 麻友、クヤ ジョン、鈴木 一正、宮村 弘、バラチャンドラン ジャヤデワン

題目:「強磁性とプラズモン共鳴効果を有する(Co-Pt)@Auコアシェルナノ粒子の創製」

■発表内容について

高い磁気特性とプラズモン共鳴効果を兼ね備えた多機能性ナノ粒子は、磁気温熱療法による治療と細胞の検出が同時に可能な材料として、ガン治療等の医療分野への応用が期待されています。しかしこれまでの研究では、粒子設計が不十分なこと、また多元系ナノ粒子の合成機構が煩雑で制御困難なことから、実用十分な多機能性と生体適合性を有する材料の作製には至っていませんでした。本研究では、応用に適したナノ粒子のサイズや構造設計を行い、Co-Pt-Au三元系における効率的な磁気特性とプラズモン共鳴効果を示すコアシェルナノ粒子の創製を行いました。アルコール還元法を用いることで、多元系での構造設計が可能となり、高い磁気特性を示すCo-Ptナノ粒子の作製に成功しました。さらにAuでナノ粒子表面を被覆し、プラズモン共鳴効果による検出強度の増強と生体適合性を有するシェル構造を形成しました。本研究独自のナノ粒子合成技術によって得られたCo-Pt@Auコアシェルナノ粒子は、先行研究と比較して、高い磁気特性およびプラズモン共鳴効果を示しました。本研究成果は、ナノ粒子を用いたガン治療等の実現に向け、さらなる発展が期待されます。