人間文化学部地域文化学科武田俊輔准教授が第5回日本生活学会博士論文賞を受賞しました
2019/06/24
6月8日~9日にかけて跡見学園女子大学にて開催された日本生活学会第46回研究発表大会において、本学人間文化学部の武田俊輔准教授の博士論文『長浜曳山祭の都市社会学:伝統消費型都市の生活協同と社会的ネットワーク』(東京大学大学院人文社会系研究科)が、第5回日本生活学会博士論文賞を受賞しました。
本賞は、民俗学・文化人類学・家政学・道具学・建築学・都市計画学・造園学・社会学などの、学際的に生活を研究しようとする日本生活学会の会員による、過去3年以内に提出された博士論文の中から授与されるものです。大会初日の授賞式において、内田青蔵日本生活学会会長より賞状が手渡されました。
授賞理由は下記の通りです。
「本論文は、長年にわたる滋賀県長浜市の町内における参与観察によって、『長浜曳山祭』の重層性を描きだし、近世以来の歴史をもつ地方都市の生活をも明らかにすることに成功した。これまで主として文化人類学、民俗学、都市社会学、生活学において都市祭礼研究は蓄積されており、それらの成果を活かしつつ、領域横断的な視点から新たな知見をもたらした新規性に富む研究である。祭礼研究のみならず、コミュニティ研究、共同性・公共性研究においても高く評価された。これらは内部者としての参与の体験から導き出されており、生活学の視点とも重なりあう。論文の構成、先行研究の活かし方、記述の厚み、事例から導かれた分析の仕方等、長年地道な研究を積み重ねてきた同氏の深い洞察力があってこそであると評価された。」
なお本論文は、武田俊輔『コモンズとしての都市祭礼:長浜曳山祭の都市社会学』(新曜社、2019年)として刊行されています。