工学部機械システム工学科の田中昂講師が、日本機械学会関西支部表彰奨励賞を受賞しました
2021年3月26日
工学部機械システム工学科の田中昂講師が、「分散制御を用いた多点加振による音響空間の固有振動計測」に関する研究で日本機械学会関西支部表彰奨励賞を受賞しました。本賞は、日本機械学会関西支部が主催する講演会において、学術的または技術的に優れた研究発表を行い、関連する業績が優れていると評価された、満35歳未満の個人に贈られるものです。
■題目
分散制御を用いた多点加振による音響空間の固有振動計測
■受賞者
田中 昂(講師)
■概要
近年、自動車において走行性能だけでなく、付加価値として自動車車室の静粛さが求められている。静粛な車室を設計するためには、騒音の元となる音響固有振動計測が必要である。車室空間は形状が複雑であり、すでに減衰材による騒音対策がなされているため、多点加振による固有振動計測技術が求められる。現在実用されている加振法では、加振点数の増加に伴い制御が複雑になるため、加振点数を制限する必要があった。本研究では、複雑な制御を必要とせず、簡単に音響固有振動を励起、計測する技術を実現した。まず、マイクロホンとスピーカーを同位置に配置する局所FB制御された音響加振ユニットを開発した。次に、開発した音響加振ユニットを空間壁面に多数配置することで,固有振動ごとの調整が不要な多点加振(分散制御型多点加振)を実現した。これにより,1点加振と同等の容易さで減衰の影響が大きい3次元音響空間の固有振動の計測が可能になった。