牧野富太郎ゆかりの伊吹山の植物標本:生物資源管理学科原田研究室が調査に参加しました
2023年3月20日
牧野富太郎(1862-1957)は、日本の近代植物分類学の権威であり、植物知識の普及に尽力したことでも知られています。牧野は生涯で少なくとも8回伊吹山に来山し、植物採集や講習会を行っています。1906年(明治39年)に米原市の春照小学校で開かれた植物講習会には、全国2府18県から約300人が参加しました。
講習会の参加者の一人である堀與曽市(ほり よそいち)は、伊吹山や長浜、琵琶湖周辺で採集した700点を超える植物の標本を残しています。現在、伊吹山文化資料館(米原市)で保管されているこの標本集は、明治の伊吹山の植物の多様性を示す重要な資料です。
環境科学部 生物資源管理学科 植物資源開発学研究室(原田英美子教授)は、堀與曽市標本集を調査し、データベース化するプロジェクトに参加しています。この標本集を紹介した動画が伊吹山テレビ(米原市行政情報番組)で放映され、YouTubeでも配信されました。
YouTube「伊吹山歴史物語 第5回 牧野富太郎と伊吹山」
調査に参加した生物資源管理学科4回生(左から 森田詞奈、鈴木桃花、森裕基、伊藤丈留)
堀與曽市標本は5冊にまとめられ、伊吹山文化資料館に所蔵されている
伊吹山文化資料館の髙橋順之氏は、牧野富太郎と伊吹山の関わりについて研究してきた
滋賀県立大学チームは標本ラベルのテキスト化および画像データの作成を行った
大槻達郎学芸員(滋賀県立琵琶湖博物館)による標本集の解説
本プロジェクトは、伊吹山文化資料館、滋賀県立琵琶湖博物館、滋賀県植物研究会、福島大学、京都大学および滋賀県立大学の研究グループが協力して進めています。また、科研費 基盤研究C(研究課題番号22K05721、研究代表者 玉木一郎 岐阜県立森林文化アカデミー准教授/岐阜県森林研究所)で助成を受けています。