環境建築デザイン学科の芦澤竜一准教授が設計した「風の音」が、第5回木質建築空間デザインコンテスト最優秀賞を受賞しました。

2014/07/01

 

 ここ数年での建築界内外における「木」への注目度は、めざましいものがあります。木質建築空間デザインコンテストは、2011年1月から2013年12月までに完成した作品を対象に、木目を生かす木材保護着色ステイン※(メーカー問わず、無色仕上げも可)を、外装または内装仕上げに使用することで、木の質感や魅力を効果的に引き出し、住まい手や利用者にやさしい建築空間を提供する作品を表彰するものです。
※以上、下記URLのコンテスト応募要領より抜粋

 このコンテストで芦澤竜一准教授が設計した、滋賀県守山市にある「風の音」が、第5回木質建築空間デザインコンテスト最優秀賞を受賞しました。

■第5回木質建築空間デザインコンテストの審査結果発表のページはこちら

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写真:市川かおり

■審査委員講評(上記ウェブサイトより抜粋)
平倉 直子氏

 その空間に佇みしばし時を過ごしてみたい、というのが最大の選考理由です。コンサートホールは設計者の最終到達点といわれます。楽器となった空間に身を置き、音に包まれた時の感動は如何ばかりでしょう。恵まれた条件とはいえ、そうした発想に誰でも至るものではなく、シンプルで美しい空間が千載一遇のチャンスにチームを組んでまとめた努力により生まれたのです。今後、廻りのランドスケープがどのように展開されるかに期待します。

石田 敏明氏

 風を媒体とした楽器に見立てたチャペルである。楽器としての建築を実現するという目的に向かって、形態や構造、素材が決定された極めてピュアな建築です。船底のようなかたちをした空間はアプローチから琵琶湖に向かって末広がりに大きな開口が設けられたその先には水面と山並みが見えます。視覚と音の演出を巧みに取り入れた空間は室内に居ながら、周りの自然と一体となる環境装置として、また門出を祝福する船のようにも見え、祝祭空間として素晴らしいと評価しました。

桝田 洋子氏

 湖からの風が抜けると天井に張ったハープ弦が音を奏でるとは、なんと想像力をかきたてる建築だろう。滑らかなフォルムを支えるのはアーチ状に湾曲させた国産カラマツのLVL材である。等間隔に並べ、外側に構造用合板を貼って面剛性を確保し、内側は音響を考慮して2.5mmのラワンで仕上げている。硬質な栗の床材に施された塗装が、無装飾の空間の静けさをさらに深めている。風が凪ぐ日は波の音に耳を澄ませて過ごしたい。丁寧なプレゼンシートから建築への想いが届いた。