FD研修会 「授業の基本研修会-数式を扱う授業のために-」を開催しました

2014/06/05

 

 2014年5月30日(金)、滋賀県立大学教育実践支援室では、FD活動の一環として今年度第2回目となる「授業の基本」研修会を開催しました。
 この研修会は関西地区FD連絡協議会との共催事業となっており、協議会加盟校等からは10名(大阪工業大学、京都教育大学、滋賀大学、千里金蘭大学、奈良教育大学)の参加がありました。

 今回は、倉茂室長を講師に「数式を扱う授業において学生の理解度を深める方法」をテーマとした研修会を開催しました。始めに自身の経験から気づいた学生の理解度不足に陥りやすい授業展開について紹介があった後、具体的にその理解度を高める工夫についてレクチャーがありました。
 講師からは「教員が当たり前と思っている基礎的なことが、学生には理解できていないことも珍しくなく、学生の理解度に合わせてしっかりと噛み砕いて教えるが大切」とポイントが示されました。

 具体的な授業の工夫は以下のとおりです。

・授業前の準備と授業中の学生ケア

 授業前に、学生がつまずきそうな場所を教員自身が確認し、内容が難しい場合には、別途説明資料や図表などの資料を作成し、咀嚼して説明できる準備をしておく必要があります。授業中は机間巡視で学生が板書する様子を確認しながら、つまずいているかどうかを見抜き、個別に声をかけるなどしてフォローしてあげることが大切です。

・アクティブラーニングの活用

 数式を扱う授業の場合、各自で演習問題を解かせた後グループワークを利用して、解答できた学生が理解できていない学生を教える方法を用いると効果的です。それによって学生同士で問題への理解を深めることができ、学生自身が工夫して考えるようになります。また、問題が解けた学生には復習にもなります。

・反転授業の実施

 これまで授業で教えていた部分を15分程度のVTRにまとめ、学生にノートを取らせながら見せます。図表などはノートに貼付できるよう予め配布しておくと良いです。VTRの内容から演習問題を出題し、それをもって予習の理解度を確認します。授業では、グループワークで演習問題を解かせ、内容のまとめとノート点検は必ず行うようにすることが大切です。

 参加者からは、「学生が知らない、分からないという前提で1つずつ解説を加えて丁寧に授業をしたい」という声や、「アクティブラーニングと反転授業について初めて知ることができた。条件に応じて導入していきたい」という感想がありました。また今後の研修会で取り上げてほしい内容として、「反転授業における教材の作り方」や「パワーポイントと配付資料を効果的に活用できる授業方法」などが寄せられました。

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