大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程2回生の浅野航大さんが、日本セラミックス協会 ガラス部会 第55回若手セミナーで奨励ポスター賞を受賞しました

2024年9月13日

大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程2回生の浅野航大さんが、日本セラミックス協会 ガラス部会 第55回若手セミナーで奨励ポスター賞を受賞しました。本表彰は、このセミナー(2024年9月4日~6日、静岡県熱海市)にて行われた学生のポスター発表の中で優れた発表を行った発表者に対して贈られるもので、43名の対象者の中から4名が選出され、そのうちの1名に浅野さんが選ばれました。

発表内容について

題目

Co2+含有アルカリホウケイ酸塩ガラス融液の光吸収と構造変化

発表者

浅野航大・山田明寛・西脇瑞紀・松岡純

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概要

ガラスは一般的に原料を1000℃以上の高温で融解して作られます。晴れた日に白と黒の服では黒の服の方が熱くなるように、色と熱には密接な関係があります。そのため、ガラス融液の色は融液中での熱の伝わり方を通して、ガラスの製造効率や製品の均質性に関わる重要な物性です。しかし、1000℃以上の色を観察する市販の装置はなく、オリジナルの装置を用いて実験しています。本研究では、着色剤としてコバルトイオンを添加した異なるアルカリイオンを含むホウケイ酸塩ガラス*融液の温度に対する色の変化をその場観察しました。

いずれのガラスにおいても室温から徐々に温度を上げていくと、ピンク色から青色に変化する傾向を示しました。この色の変化は、ガラスを形成する網目構造の影響を受けて変化していることから、色の変化をガラス融液の構造変化で説明しました。

*ホウ酸(B2O3)とケイ酸(SiO2)を主成分とする特殊ガラス。ディスプレイ用の板ガラスや医薬品用の容器ガラスなど幅広く利用されています。