先端工学研究院の徳満勝久教授、竹下宏樹准教授がプラスチック成形加工学会の論文賞を受賞し、第34回年次大会・総会において表彰されました
2023年6月28日
6月21日〜6月22日にタワーホール船堀(東京)にて開催されたプラスチック成形加工学会第34回年次大会「成形加工'23」において、本学先端工学研究院の徳満勝久教授と竹下宏樹准教授がプラスチック成形加工学会論文賞を受賞しました。なお、当該論文は筆頭著者・大阪産業技術研究所の垰幸作氏が本学先端工学専攻在学中に投稿した論文であり、(地独)大阪産業技術研究所の技術者3名を含む6名が受賞しました。
本賞は、毎年度プラスチック成形加工学会誌に掲載された論文の中で選考委員会にて1件選ばれる賞であり、6月21日に開催された学会総会後の賞表彰式にて授与されました。
論文内容について
題目
レーザーラマン分光法を用いたポリスチレン射出成形品の分子配向解析
発表者
垰 幸作1,2、山田浩二1、東 青史1、籠 恵太郎1、竹下宏樹²、徳満勝久²(1大阪産業技術研究所、²滋賀県立大学)
概要
寸法精度が高く、かつ短時間で大量に製造できるため、樹脂成形品の多くに射出成形が用いられます。その製造プロセスから、射出成形品の内部は複雑な分子配向を示し、この分子配向は成形品の物性と密接に関係するため、配向度や配向方向の分布といった詳細な分子配向状態の解析が望まれます。本論文では、分子振動軸に対する偏光子及び検光子の角度がラマン散乱光に及ぼす影響を明らかにすることで、ポリスチレン射出成形品において、従来報告されていた配向度の情報に加え、配向方向についてもミクロンオーダーで解析しました。また、成形品における残留分子配向が、動的粘弾性や加熱収縮の挙動に影響を及ぼすことを見出しました。本論文の成果は、樹脂部品の製造工程における品質管理や、高機能樹脂部品の開発現場などでの活用が期待されます。
表彰式の様子