大学院工学研究科材料科学専攻の木村三士朗さんが、日本レオロジー学会 第51年会において「Best Presentation賞」を受賞しました

2024年5月21日

5月16日〜5月17日に名古屋工業大学(名古屋)にて開催された日本レオロジー学会 第51年会において、本学大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程の木村三士朗さんの発表が「Best Presentation賞」を受賞しました。

本賞は、1日目午前に行われたポスター発表の中で優秀な発表に贈られるもので、今回は50件のポスター発表から4件が選出され、その中の1件に本発表が選ばれました。

発表内容について

題目

結晶性高分子のひずみ硬化挙動に与える延伸温度の影響

発表者

木村三士朗、木田拓充、竹下宏樹、徳満勝久

概要

ポリエチレン(PE)に代表される結晶性高分子材料は優れた力学物性を示しながら安価で軽量という特徴を有し、我々の日常生活で数多く使用されています。結晶性高分子は破壊に至る前段階として、変形量の増加とともに応力値が増加する「ひずみ硬化挙動」が観察され、ひずみ硬化性を向上させることで材料の強度や耐久性は大きく改善します。しかし、結晶性高分子は複雑な内部構造を有するために、ひずみ硬化挙動のメカニズムは十分に理解されていませんでした。本研究では、ひずみ硬化挙動に対する温度の影響に着目し、幅広い温度におけるひずみ硬化挙動を評価しました。低温領域におけるひずみ硬化挙動は非晶分子鎖の伸長、すなわちエントロピー弾性が支配的となりますが、高温領域では結晶構造の細分化が発生するため、結晶構造の塑性流動がひずみ硬化性を支配することを明らかにしました。

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