工学部材料化学科の木田拓充講師が江野科学振興財団 田中康之ゴム科学賞を受賞しました

2025年3月18日

公益財団法人江野科学振興財団「田中康之ゴム科学賞」に、工学部材料化学科の木田拓充講師が採択され、3月6日に開催された贈呈式にて助成金と田中康之ゴム科学賞が授与されました。田中康之ゴム科学賞は、ゴムの科学技術(化学・生化学・物理学・工学)における若手研究者の特に優れた研究の支援を目的とし、大学院博士課程在籍者を含む36歳未満の研究者を対象とした賞になります。

研究内容について

題目

Rheo-Raman分光法を用いた熱可塑性エラストマー材料の微視的構造・力学挙動の可視化技術開発

受賞者

木田拓充

概要

熱可塑性エラストマー材料は剛直で物理架橋を形成するハードセグメント(HS)と、柔軟なソフトセグメント(SS)で構成されており、HSとSSの分率を変えることで力学物性を非常に幅広く制御できることから、スポーツ用品や医療機器として利用されています。一方で、熱可塑性エラストマーは内部に非常に複雑な内部構造を有しており、HS・SS分率と力学物性の関係の理解は簡単ではなく、力学物性の制御は経験と勘に頼って行われています。本研究では、力学試験と顕微Raman分光測定を組み合わせたRheo-Raman分光法を用いて、熱可塑性エラストマーの変形過程で生じる微視的な構造変化や分子鎖の力学応答を評価することで、構造と物性の関係解明に挑みます。特に、マッピング技術を駆使することにより、構造変化や力学応答の空間分布の可視化技術開発に取り組みます。


写真:前列右端が木田講師