イタリア留学レポート
国際コミュニケーション学科 中村 朱里さん
イタリア ペルージャ外国人大学
イタリア留学が始まって約1カ月が経ちました。滋賀県立大学でイタリアの交換留学が始まったのは今回が初めてで前例が無いため分からないことも多く、1カ月経った今もまだまだ安定した生活が送れていないという状態です。この1カ月を振り返れば、運よく乗り切ることができたこともあれば、頭を悩ませる事態に陥ったこともありました。それでも、「イタリアは楽しい国」というのが現時点での私の感想です。上手くいかないことがあってもイタリアの方たちによって助けられたり、イタリアだからこそ乗り越えることができた、と感じた場面が多々ありました。本当に多くのことを体験した1カ月だったのですが、今回は私の生活環境について述べたいと思います。
〇ペルージャについて
ペルージャはイタリアのウンブリア州の中にある小さな街です。小さな街と言っても、イタリアでは有名な観光地で多くの観光客が訪れます。イタリアでは当然のことなのかもしれませんが歴史的な街並みも魅力的です。ローマからは電車で3時間弱かかります。ペルージャは周りよりも高い場所にあるため、非常にきれいな景色を見渡すことができますが、その反面、天気は変わりやすく時間による気温差が激しいので持ち物や服装にはいつも悩んでいます。さらに坂や階段が多く、毎日通学するだけでも大変良い運動になります。centroという中心街は、スーパーやレストラン、その他お店が数多く集まり、何かを買うもしくは食べるという時はいつもcentroに行きます。
〇ペルージャ外国人大学について
ペルージャ外国人大学は名前の通り外国人の留学生がイタリア語を勉強するために集まる大学なので、同じクラスの学生たちは全員イタリア以外の外国人です。国籍、年齢は本当に様々で、留学の目的も皆違います。建物は決して大きくはありませんが、いくつかの校舎に分かれています。私が今通っているのはペルージャ外国人大学のメイン校舎となるところです。初めて大学を訪れたときは、それが大学だとは気づかなかった程趣のある建物で「これがイタリアの大学なのか」と驚きました。
〇クラスについて
クラスはイタリア語のレベルの違いにより分けられ、レベルはA1からC2まであります。私は今までイタリア語を独学で勉強しているのみでイタリア語の授業というものを受けたことが無かったので、1カ月間だけA1クラスに入ることにしました。1学期が3カ月なので、残りの2カ月はA2のクラスで勉強することになります。A1クラスは想像していたよりも初心者向けのクラスで、最初はA2のクラスに移動したほうが良いのではないかと考えたこともありましたが、それでも知らない単語が多くあることや生のイタリア語を聞くことに慣れていないということを考慮して基礎からしっかり学ぼうということに決めました。私の留学期間は全部で3学期なので最終的にB2のクラスを修了することが目標です。
〇寮について
ペルージャ外国人大学へ通っている学生は住居に関してはいくつか選択肢があります。アパートに入居する人も多くいますが、私はペルージャ外国人大学とは別のペルージャ大学の農学部の学生が利用している寮に入ることにしました。理由は、2人部屋があり1カ月150ユーロという安い値段で住むことができるからです。日本にいる時はそれ以外の情報が特に無かったので、実際寮に住んでみて印象は大きく変わりました。当たり前のことですが、良い点と悪い点があります。まず良い点は、この家賃の中に水光熱費が含まれていること、月に2回ほど部屋の掃除をしてくれること、1食最安2ユーロで食べれる食堂が寮の中にあること、洗濯機が無料で使えること、などです。悪い点は、シャワールームが共同で部屋の外にあること、wi-fiはあるものの部屋の中からつなぐのは非常に困難なこと、ペルージャ外国人大学から徒歩30分から40分のところにあること、部屋にキッチンがないこと、などです。私が一番つらく感じるのはやはりインターネットの問題です。イタリアは全体的に電波の質が良くないので、どこに行ってもwi-fiは安定していません。ですので寮では自分で契約した携帯の4G回線に頼るか、うまくwi-fiの強いところを見つけてつなぐようにしています。
〇生活について
まずは食べ物のことですが、基本的に食事はMensaと呼ばれる学生のための食堂で済ませています。ペルージャにはMensaがいくつかあり、先ほど述べた寮の中にある食堂というのも、これのひとつです。昼食は大学近くのMensaで、夕食は寮の中のMensaで取るというのが習慣になっています。2ユーロでも十分おいしくボリュームのある料理を提供していただけるので、イタリア料理が好きな私は非常に満足しています。
次に買い物ですが、食べ物など毎日の小さな買い物はcentroのスーパーに行きます。大きな買い物をする時は、バスに乗り郊外にあるショッピングモールまで行きます。最近では、何がどこで安いのかということくらいは分かるようになってきました。
今はまだ、身の回りのことに必死で落ち着いた生活ができているわけではありませんが、徐々に楽しめることが増えていけばと思っています。何よりイタリア留学という私にとって大変貴重な時間を過ごせていることへの感謝をこれからも忘れずにいきたいです。