アメリカ留学レポート
国際コミュニケーション学科 加藤 由菜さん
アメリカ オリンピックカレッジ
今月でこの留学月一レポートを提出するのも最後となりました。海外に行くのがこの留学が初めてだったので、何もかも初めてで、不安と期待に包まれながら飛行機に乗っていたことが懐かしく感じます。到着した当初、この10か月間は気が遠くなるほど長く感じ、本当に楽しめるだろうかとかなり不安に感じていました。しかし、いざ始まってみると、どうにかなるものです。最初はドキドキしていたレストランでの注文や現地でアメリカの学生と同じ授業を受けることも今ではすっかり慣れ、何となく居心地が悪い気がしたアメリカでの生活もかなり楽しく感じられるようになりました。生活にも慣れ、楽しく感じている時期に帰らなくてはいけないことがとても悲しく感じます。不安でいつになったら帰れるのだろうと感じていた当初とは全く異なる心境で自分自身でもとても驚いています。
私はこの10か月間の中で語学力以外の部分も養うことができたと感じています。一つ目は、この留学で様々な国の友達ができたことで、アメリカ以外の国にも興味を持つことができたことです。これまで海外の友達を作る機会がなかった自分にとってこの留学は大きなものでした。友達と話す中で日本の文化を紹介したり、また向こうに国の文化についても教えてもらったり、アメリカにいながら他の国についても知ることができてとても良い機会だったと思います。二つ目は人種に関する問題です。日本は人口のほとんどが同じ日本人で占められていて、人種差別に関して普段から意識することはないと思います。しかし、アメリカには白人の方以外にもアジア系、アフリカ系、ヒスパニック系等様々な人種の人々が暮らしています。その中で自分がマイノリティーグループであるアジア人であるということを自覚すると同時に自分はほかの人からどのように見られているのだろうと考えることがよくありました。また、この学期にとっていたAmerican Sign Language の授業でティーチングアシスタントをしていた女性が、「自分が初めて手話の授業を受けたとき、自分が黒人だからという理由で成績を低くつけられて、先生にも嫌われていた」と話していました。私は今まで人種差別を受けた経験のある人と直接会ったことがなかったので、この女性の話は衝撃的なものでした。ニュースや教科書でみるものとは違う、生々しさを感じ、人種差別は幻想などではなく、実際に現在起きていることだと実感しました。
私は以上の二点が語学以外で学べたことだと感じています。この10か月間で得た知識、経験を留学後も忘れずにこれからの生活の中で生かしていきたいと思います。人生という長いスパンで考えてみれば10か月はほんの一瞬ですが、この期間の中で貴重な体験ができて本当に良かったと思います。