地域共生センター

地域共生センターの紹介

地域共生センターは、滋賀県立大学の有する人的および知的資源を活用し、地域課題の解決や地域共生に関する教育および研究および地域社会で活躍する人材の育成等により、地域の文化および産業等の振興ならびに地域社会の発展に寄与することを目的に、平成25年4月、地域づくり教育研究センターと環境共生システム研究センターを再編・統合して設置されました。

地域共生センターには大学と地域を繋ぐ地域連携窓口を設けて地域連携コーディネーターを配置し、地域からの様々な相談などに対応しています。

また、平成30年に「滋賀県立大学SDGs宣言」を行ったことを踏まえ、地域共生センターーではこれまでの大学の取組や資源を活かし、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に向け、共に学び、育ち、未来を切り拓く拠点となるための全学的取組の中心となる活動を行っています。

〇公立大学法人滋賀県立大学地域共生センター 〒522-8533 彦根市八坂町2500

TEL:0749-28-9851 FAX:0749-28-0220 E-mail:chiiki_koken@office.usp.ac.jp

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地域共生センター年報

年報2020

年報2019

地域共生センターの事業紹介

◆地域課題の解決と地域共生等に関する教育および研究

1.地域教育プログラム
(1)地域共生論

1年次の全学部学生約600人が学部の枠を超えてグループワークを通じ、一緒に学ぶ必修講義。各学部から提供されるテーマをもとに、地域共生の意義を理解し、自ら率先して地域における活動等を実践することの大切さを学ぶとともに、学生がSDGsの視点も交えて考え、他者を理解し、共感と豊かな対話を可能とするコミュニケーション力向上を目指します。

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地域共生論の授業風景

(2)近江楽士(地域学)副専攻

全学・全学科対象の未来志向の学びのプログラム。実社会に必要なノウハウを地域から学び、主体的に考え、行動し、課題を解決するための学びを提供します。
コミュニティ・ネットワーカー(CN)コースは、地域を客観的に分析し、人材や資源を結び合わせて地域再生に向けた取組をデザインするネットワーク力を身に付けます。ソーシャル・アントレプレナー(SE)コースは、起業家的精神をもって地元企業等でリーダーシップを発揮する起業力を身につけます。
この副専攻を修了し所属学部の卒業要件を満たすことで「近江楽士(コミュニティ・ネットワーカー)」、「近江楽士(ソーシャル・アントレプレナー)」の称号が付与されます。

近江楽士(地域学)副専攻について詳しくはこちらをご覧ください。

SEコースMBA入門

SEコース MBA入門の授業風景

(3)近江環人地域再生学座

本学の大学院生や社会人を対象に、地域再生のリーダーとなる資質を有した人材「近江環人(コミュニティ・アーキテクト)」を育成するもので、研究科横断による枠組みで地域再生や地域活性化のための必要な知識と技能を総合的・体系的に習得できる副専攻カリキュラム。
なお、学座修了生を中心に結成された特定非営利活動法人コミュニティアーキテクトネットワーク(NPO法人環人ネット)が、地域での活動連携や大学とのつなぎ役などで大きな役割を果たしていただいています。

近江環人地域再生学座について詳しくはこちらをご覧ください。

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近江環人地域再生学座 徳島県上勝町にて株式会社いろどりの横石知二氏を囲んで

(4)近江楽座

地域貢献を目的とする学生主体の地域活動を全学的に支援(活動助成・コンサルティング・情報発信と共有)する教育プログラム。平成16年度に文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」事業として実施し、平成19年度からは本学の独自予算で継続しています。

事業の目標としては、(1)地域の課題に学生・大学が取り組み、地域の活性化に向けて共に行動する、(2)学生が地域の方々と一緒に行動することにより、学内だけでは学べないことを体験する、(3)大学と地域が共同してよりよい地域づくり・人づくりにつながる仕組みをつくる、の3つがあります。

毎年20を超えるプロジェクトがまちづくり、健康福祉医療、環境保全、農業振興、被災地支援など様々な分野で、県内外、海外までもフィールドにして活動を続けています。

近江楽座について詳しくはこちらをご覧ください。

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近江楽座「未来看護塾」 東日本大震災被災地、宮城県南三陸町田の浦での活動

2.SDGs達成に向けての取組

世界共通の目標であるSDGsに関しては「地域に根ざし、地域に学び、地域に貢献する」大学として、SDGsの地域化拠点を目指して平成30年に滋賀県立大学SDGs宣言をしました。
主な取組は、前記1に記載の様々な地域教育プログラム、SDGs特化型地域課題研究、キャンパスSDGsびわ湖大会、県大SDGsシネマ、出前講座のほか、地域の人材育成のための研修事業などにも取り組んでいます。

SDGsの取組について詳しくはこちらをご覧ください。 SDGs大会

3.地域づくり等調査研究

本学の知的資源を生かし、自治体、NPO、経済団体等と連携し受託研究を実施しています。

◆地域における人材育成等

1.地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+事業)

文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」を引き継ぎ、地域活性化に向けて地域で活躍する人材の育成と地域の雇用拡大、若者の地元定着を図るため、平成27年度から「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+事業)」に取り組んできました。

これは本学と県内5大学、関係団体の連携のもと、(1)地域共生論の共通科目化、(2) 近江楽座の参加5大学への展開、(3)中期インターンシップの実施、(4)FD研修の合同実施、(5)大学によるアイデアコンテストの開催などのほか、本学独自の取組として、前記の近江楽士(地域学)副専攻にソーシャル・アントレプレナーコースを設置するとともに、ジョブ交座などを実施しました。

COC+事業について詳しくはこちらをご覧ください。

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COC+事業 ジョブ交座(学生ホールで企業と学生が気軽に対話)

2.その他の人材育成事業

前記の「地域教育プログラム」における学生や社会人教育の取組、「SDGs達成に向けての取組」のとおり、地域においてSDGsの視点も持って活躍する人材育成のための研修事業などを実施しています。

◆地域との連携および交流

1.地域連携窓口の設置

平成30年度より地域共生センターに地域連携相談窓口(地域連携コーディネーター)を設けて、県や各市町、関係団体等からの大学との連携相談に一元的に対応し学内各学部との調整等にあたっています。相談件数は次の表のとおり年々増加しています。地域課題解決に向けた市町、関係団体、民間企業などの事業への協力や助言、受託研究や講師の派遣、特に高大連携につながる本学学生の高校への講師としての派遣なども増えてきています。

地域連携相談窓口の受付件

年度 H30 R1 R2 R3
受付件数 35 64 78 93

地域連携ガイドブック

本学教員の研究内容、産学や地域連携活動分野を分かり易く紹介した「滋賀県立大学地域連携ガイドブック2021」を2021年3月に刊行しましたので、本学との交流にご活用ください。

滋賀県立大学地域連携ガイドブック2021はこちらをご覧ください。

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●連絡先

地域連携窓口 地域共生センター TEL:0749-28-9851、 E-mail:chiiki_koken@office.usp.ac.jp

2.市町等との包括連携協定

「地域貢献」を取組の大きな柱とする本学として、県内各市町と地域の課題や特性等を踏まえた具体的な連携・協力関係や体制を明確にし、組織的な連携を推進するため包括連携協定の締結を進め、随時意見交換を行っている。また、関係団体とも連携協定を結び、取組を推進しています。

市町等との包括連携協定について詳しくはこちらをご覧ください。

高島市包括連携協定

高島市との包括連携協定(令和2年10月2日)

生涯学習

人生100年時代と言われ、地域住民の生涯学習への多様なニーズに対応することも本学の使命です。(1)春期公開講座、(2)社会人専門講座、(3)公開講演、(4)公開講義など、地域に貢献する本学として、社会情勢の動きや受講生の声を踏まえながら関係教員の協力を得て本学の有する知的資源をもとにこれら生涯学習支援の取組の充実を図っています。

生涯学習について詳しくはこちらをご覧ください。

公開講座

◆他大学等との連携

1.環びわ湖大学・地域コンソーシアム

県内13大学と県、市町、関係団体で構成される環びわ湖大学・地域コンソーシアムの大学地域連携事業に、本学学生の参加を呼び掛けながら取組を進めています(令和2年度からは、びわこリハビリテーション専門職大学を加え14大学等で構成されています)。

2.びわ湖東北部地域連携協議会

びわ湖東北部地域の5大学、県、3市(令和2年度より米原市参加)、2商工会議所、環びわ湖大学・地域コンソーシアムの連携によって、SDGsを活用した豊かに働き生活できるびわ湖東北部地域の創出に向けた各種の事業に取り組んでいます(令和元年度は、彦根・長浜地域連携協議会として活動を実施)。

教員紹介

教授 鵜飼 修

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地域共生論、近江環人地域再生学座、近江楽士(地域学)副専攻を担当しています。特に、近江環人地域再生学座では大学院生や社会人を対象に、近江楽士(地域学)副専攻では学部生を対象に、自らの実践、経験、研究してきた実践的なまちづくりのノウハウ(地域診断やコミュニティビジネスなど)を指導、教授し、自らも全国各地のフィールドでまちづくり活動を実践しています。

著書に「地域診断法 鳥の目、虫の目、科学の目」「3日でマスターできるコミュニティ・ビジネス起業マニュアル」など

日本大学大学院理工学研究科建築学専攻修了。博士(学術)大手ゼネコンで設計、開発、まちづくり業務に従事後、2006年より県立大学准教授。2021年教授。

【担当科目】地域共生論、地域診断法、問題解決デザイン論、地域デザインA、B、C ソーシャル・ビジネス概論

(近江環人地域再生学座)地域デザイン特論、地域マネジメント特論、サステイナブルデザイン特論、実践現場体感特別講義I、II コミュニティ・プロジェクトI、II 地域再生システム特論

講師 上田 洋平

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地域共生論、近江環人地域再生学座、近江楽士(地域学)副専攻を担当しています。専門は地域文化学。

風土に根ざした暮らしと文化に関する研究と実践に取り組む一方、地域と連携した人材育成、地域「共育」プログラムの開発やSDGsの地域化事業にも力を注いでいます。研究の過程で開発したまちづくりの手法「心象図法」を用いた「ふるさと絵屏風」制作の運動は滋賀県を中心に50ほどの地域に広がっています。近ごろは「ここで、ともに、無事に」生きのびるために在所単位で磨き上げられた人と地域の営みを「ブジネス(無事の経済・文化)」と名づけ、地域に根差した「"ブジネス"モデル」の開発や復興を提唱しています。

滋賀県立大学大学院人間文化学研究科地域文化学専攻博士課程単位取得退学(第1期生)。2011年日本青年会議所「人間力大賞(総務大臣・環境大臣)」受賞。

【担当科目】地域共生論、SDGsと滋賀のグローカルイノベーション、地域コミュニケーション論、地域づくり人材論、地域デザインA、世界遺産のまちづくり・人づくり

(近江環人地域再生学座)地域再生学特論、地域イノベーション特論、成熟社会デザイン特論、コミュニティ・プロジェクトI、II 地域再生システム特論

特任准教授 西岡 孝幸

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近江楽士(地域学)副専攻のソーシャルアントレプレナー(SE)コースを担当しています。本コースは卒業生の地元定着を促進し地域を活性化することで地方創生の実現を目的に取り組んだCOC+事業の一つとして創設されたものです。SEコース運営の経験や実践を通して、学生の「起業家的精神」の教育を強化し、地域での企業や社内起業家として活躍する人材を育成したいと思います。

1977年都市銀行入行、企業経営に係る仕事に26年間従事しました。2003年中小企業をサポートする重要な任務があると一念発起し銀行を退職し、滋賀県産業支援プラザに転職。起業者やベンチャー企業、中小企業の経営支援に11年間従事し2016年退職。2016年滋賀県立大学COC+コーディネーター就任。2020年地域共生センター特任准教授

【担当科目】ソーシャル・ビジネス概論、MBA入門ビジネス・プランニング、地域デザインD

経営学修士(立命館)、都市ビジネス修士(大阪市大)

主任調査研究員 秦 憲志

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地域共生センターの運営全般を担当しています。教育では「地域共生論」を分担し、近江楽座の実施運営、地域づくりの調査研究として課題に対して適切な学内教員との連携やセンターでの受託研究の受入れを行っています。

長らく地域シンクタンクで公共政策の研究や実践を通じて、県内の地域づくりやまちづくりの現場に関わってきました。大学では、近江楽座の活動を支援し、学生の力や学生たちが成長していく姿に出会えるのが何よりの楽しみです。学生から学生へとうまくバトンを渡してもらって、大学と地域の様々な関係づくりを実践し、地域での新しい価値づくりに少しでも役立っていきたいと思います。

地域コミュニティ活動やNPO活動、地域資源の掘り起こし、協働によるまちづくり、森林づくりと森林資源の形成、文化的景観の保全、集落空間の形成や変遷、空間管理などに関心を持っています。

【担当科目】地域共生論