【県大jiman】特別対談号 県大の魅力・おすすめの史跡 

県大の魅力

県大jimanスタッフ:お二人から見た県大の魅力って何ですか。

中井:色々な所に講師とか非常勤として行かせてもらった中で、県大は授業しやすいんだよね(笑)「地域文化学科はフィールドワークや」って言うけども、考古学って本当に現場に行ってなんぼの世界で、発掘に行く機会を大学でつくることができる。それはやっぱりいいところだなと。

合宿をすれば同じところで同じような人たちと夜を徹してでも喋れるし、発掘現場も行けるし。これに関して僕は、県大として伝統的に続けていってほしいし、それが一番考古学をやりたい人のための魅力なのかもしれないなぁ。

:「しっかり考古学を学べます」っていうのは胸を張って言えるんじゃないかと思います。考古学って知識だけじゃなくて、発掘現場で必要な道具の使い方とか、図面を描く技術とか色々なことを知っていないといけないんですけど、それらをきちんと一通り学べる。周りに一生懸命やっている人たちがちゃんといて、先輩後輩同士で切磋琢磨しあえる。しっかり考古学に打ち込めることが魅力じゃないですかね。

おすすめの史跡in滋賀県

県大jimanスタッフ:滋賀県にある大学ということで、「ここは学生に行ってみてほしい」、「ここはあまり知られてないけど行くべき」という史跡があったら教えて頂きたいです。

中井:滋賀県出身の子でもなかなか行かない、というところに行ってほしい。僕自身のおすすめは当然安土城。何を見るのかっていうのがすごく大事で、一度見ただけではだめで、安土城の石垣の組み方がどうなっているかとかをぜひとも見てほしいですね。ただ安土城に行ったっていうだけではなくてね。自分の目で何か一つや二つでも、「ここはこうなってたんやけども...」みたいな話が後でできるような見方をしてもらうのがいいなぁって思います。ただ行っただけではやっぱり面白くない。

:実は滋賀県っていわゆる「渡来人」に対する考古学的な研究の始まりの地なんですよ。大津のあたりに渡来人が住んでいたんじゃないかって言われている遺跡がたくさんあるんです。渡来人の集落遺跡としては穴太遺跡※5が有名なんですが、特にお勧めしたいのは、その周辺の横穴式石室が残っている古墳ですね。「穴が百個空いている」という名前の百穴古墳群が面白いです。横穴式石室って、少しマニアックな話になるのですが、普通のものとは違って天井がドーム型になっているんですよ。上がすぼまってちょっと不思議な形になっているんです。あまり一般的にはない形で、渡来人の墓じゃないかって言われています。桐畑古墳※6は民家のすぐ横にあって、石室の奥に不動明王像が置かれているんです。今も地元の人の信仰の対象になっているのが興味深いですよね。あと、横穴式石室って夏に行くと結構虫がいるんですけど、桐畑古墳の石室は天井が一部崩れていて風通しが良いので、虫もいないですしおすすめです。古墳、面白くなってきたでしょ(笑)

※5 滋賀県大津市の穴太・唐崎にまたがる、縄文時代から平安時代にかけての複合遺跡。主に、6~7世紀の集落跡から渡来人が関わったとみられる遺構が発見されている。

※6 滋賀県大津市にある熊ケ谷古墳群の1号墳。同古墳群内で、最も規模の大きな石室を持つ。

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中井:つまらん話ですが...古墳で興奮してきた。

:今の絶対に記事にしてくださいね(笑)