令和5年(2023年)新年のご挨拶<教職員向け>
令和5年(2023年)新年のご挨拶 教職員向け
飛躍・向上の年となることを願って!
明けましておめでとうございます。
新型コロナ禍については、最近も多くの感染者が出ており、感染された方にお見舞い申し上げます。このような中において、授業を対面で出来ることや高校生の方々をキャンパスに迎えてオープンキャンパスが開催できたこと、また、湖風祭を開催し地域の方々と交流できたことなど、これまで学生が学び続けて来られたのは、教職員の皆様のご尽力のおかげであり、心より感謝申し上げます。また、学生の皆様におかれても精一杯努力して勉学のみならず、いろいろな活動に取り組まれていることに敬意を表したいと思います。
新型コロナ禍が始まり、行動規制が続いてきましたが、最近はほとんど制限がなくなりました。このような状況を受けて、3月に開催予定の学位記授与式では、2部制として全卒業生が式に出席できるように準備を進めています。また、これまで教室定員の50%以下で授業をして頂くようお願いしてきましたが、来年度からは、通常の授業は教室定員100%で使用することを危機対策本部員会議において確認したところです。少しずつではありますが、日常が取り戻せてきたように思います。ただし、マスクや換気、手指消毒など感染防止対策は忘れずに取って頂きたくよろしくお願いします。
今年は、第3期中期計画の最終年度を迎えます。それに先立ち、昨年は6年に一度の認証評価を受審しました。10月に行われた実地調査では、本学の近江楽座などを始めとする地域での学生の実践的な学びについて、評価委員の方々に大変興味を持って頂きました。その一方で、大学院の適切な定員管理や、既にご対応をお願いした教員の学位の公表を含めて、幾つかの指摘を受けました。
その主なものを挙げますと、例えば、シラバスの記載項目などについて、全学レベルでの組織的なチェック体制を強化すること、 次に、中央教育審議会のガイドラインを踏まえ、3つのポリシーの策定単位ごとの取組全般を俯瞰した全学レベルでの教学マネジメントを構築すること、また、授業評価アンケートや各種のアンケートおよび授業見学の結果などの組織的な共有・分析を踏まえた教育改善活動のさらなる充実などです。これらに加えて、卒業研究を含めた成績評価に関して、妥当性の検証や改善の進め方などの全学レベルでの組織的体制を充実すること、そして、FD・SDに関しての全学レベルでの点検・見直し体制の整備など、大学としての内部質保証体制の更なる充実が求められています。これらについて、今後対応していかなければなりません。
今年は、第3期中期計画を仕上げる年であるとともに、設立団体である滋賀県から示される第4期中期目標を受けて、その達成のための第4期中期計画を作成する年でもあります。
その計画には、先ほど述べた認証評価での指摘への対応に加えて、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン答申」も十分考慮して作成することが必要と考えます。
その答申には、これからの予測不能な時代を支え牽引する人材を育成するために、「高等教育が目指すべき姿」として、一人ひとりの学生が自らの学修成果を自覚し説明できる「学修者本位の教育への転換」が掲げられています。「何を教えたか」ではなく、学修者が「何を学び、身に付けることができたのか」へ転換することです。また、読解力や数学的思考力を含む基礎的で普遍的な知識や理解と、汎用的な技能を文理横断的に身に付けてもらうことや、さらに、数理・データサイエンスが文理を超えた基盤的なリテラシーとして獲得することが重要と指摘されています。そして、このような教育が行われていることを確認できる質保証が求められています。
これらに加えて、2018年問題と言われたように、2018年を境として、18歳人口が減少し始め、2040年には、現在の7割程度の88万人となります。このことは、大学の淘汰が本格化して、学生を獲得するための大学間の競争が激しくなると考えられ、受験生から選ばれる魅力的な大学になることが必要不可欠です。
そのためには「持続可能な開発のための目標であるSDGs」、「Society5.0 第4次産業革命」、「人生100年時代」、「グローバル化」、「地方創生」、「CO2ネットゼロ」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」、「GX(グリーントランスフォーメーション)」などを十分考慮して、第4期の中期計画を作成することが重要と考えます。教職員を始め、学生も一緒になって取り組める中期計画を作成、魅力ある選ばれる滋賀県立大学を実現したいものです。教職員の皆様方も、このような視点を念頭に時代の先を見た業務内容の見直し、新たなチャレンジに取り組まれることを大いに期待しています。
あわせて、本法人では現在、滋賀で初めての高等専門学校の開設準備に取り掛かっています。これまで本学では地域貢献をミッションとして人材育成をはじめ様々な取組を行ってきました。さらに高等専門学校ではより実践的で高度な技術人材を養成するとともに、地域企業の成長を支え滋賀の持続的な発展に寄与する高等専門学校となるよう県とも密接に連携しながら取組を進めて参ります。
今年は、令和5年卯年です。
12年前の卯年は、2011年で東日本大震災に加え原発事故が起こり、甚大な被害がもたらされ、いまも復興途上にあります。また、1ドル=75円32銭の歴史的円高の年でもありました。その一方で、なでしこジャパンが、サッカーワールドカップで優勝する嬉しいこともありました。
今年こそは、災害がなく、また、世界平和が実現できる良き年になることを願っています。さらに、卯(うさぎ)は、その跳躍する姿から「飛躍」、「向上」を象徴するものとして親しまれ、新しいことに挑戦するのに最適な年と言われています。皆様と本学にとりまして、本年が飛躍の年となることを願って、年頭のご挨拶と致します。
今年もよろしくお願い致します。
令和5年(2023年)元旦
滋賀県立大学理事長・学長